カオフラージュ

18

 男はゆっくりと立ち上がると、エレベーターへと向かい、歩き出した。

「あの、私知り合いにお医者さんがいるんです」愛は言った。「とってもいい人で、腕も確かです。よかったら、病院行ってみませんか? すぐ近くですから」

「嫌だ」

彼は言った。

「え? でも」

「嫌だ。病院には行きたくない」

男はそう言うと、逃げ出すようにエレベーターへと乗り込んだ。

「あ、待ってください」

愛は後を追った。

cocomocacinnamon's Blog

マウスでアニメやマンガのキャラクターのイラストや4コママンガを描いています たまに小説も^^

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