カオフラージュ
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ダークブラウンのつや消しのデザインウッドを使用した壁パネルに囲まれた高級感のあるバス・ルームでシャワーを浴びる女性の後ろ姿。髪型は前髪とサイドとえり足が同じ長さに切りそろえてあるショート・ボブで色はベージュ。左肩にホクロが三つ、トライアングル状に並んでいる。
シャワーを終え、タオルを身体に巻きつけた彼女は浴室からリビング・ルームへと移動する。女は濡れた髪を首にかけたタオルで拭きながら、ダイニング・コーナーに向かい、冷蔵庫から冷えたシャンパンを取り出し、それをグラスに注ぐと、今度はリビングの奥にある机の方へと向かった。
机の上には新聞の記事を切り抜いて集めたスクラップブックが置いてある。すぐそばの壁にもたくさんの記事や写真などが貼り付けてある。彼女はそのうちの一枚の写真――外人の男が写っている。を片手で撫でるように触れながら、グラスのシャンパンを一気に飲み干す。
「あなたの魂は消えない。だって、あなたは今でも私の中で生きているのだから」
グラスの縁に指を滑らせ、彼女は不敵な笑みを浮かべた。
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