新生喜劇~LA RENASCITA COMMEDIA~
何が起きたのかと、倒れたままの姿勢で首を振り辺りを見回すと、ジャガーの陰から、またしても元嫁の少女バージョンの姿で、彼女が現れた。
「おじさん、危機一髪だったね」
「あ、はい……」
「でも、まさかこんなところへ来ているとはね」
「あの、ここはどこなのですか?」
「それより、とりあえず帰りましょう。ここに長居はしない方がいいわ」
「わかりました。ではお願いします」
「うん。じゃあ、行くよ」
次の瞬間には彼女と僕と天使の三人はガブリエルの書庫へと戻った。
「あら、お帰りなさい」
ガブリエルが暢気な調子で言った。
「はい。ただいまですよ」少女姿の彼女がそれに合わせるように答えると、今度は私たちに向き直り、「さてと、まずはそのケガとボロボロになった服を直したら?」
私は頭の中に元通りの姿を思い浮かべた。すると、魔法のように一瞬でケガは消え、服も新品のように修復された。
「それじゃ、そろそろ答え合わせしちゃおうかな」
少女が言った。
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